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ウェーブレット解析

 いろいろな物質を原子や分子に分解して考えることで,手に負えない多様性の中に秩序を見ようとするのと同様,さまざまな数列関数(数値データや画像なども,数学的には数列もしくは関数とみなすことができます)を,基本となるものに分解することで,いろいろな分析・加工等ができます.

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[図1:ドブシィ2と呼ばれるウェーブレット]
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[図2:ドブシィ8と呼ばれるウェーブレット]
 どういうものを基本的と思うかで,いろいろな分解の仕方が考えられますが,ウェーブレット(本来の意味は「小さな波,さざなみ」)と呼ばれる長くは続かないひとつの波をうまく選び,それを拡大縮小したり,横にずらしたり(平行移動)してできる無数の波を考え,これらを原子にあたるものと考えて信号や関数を分解し,この分解を利用していろいろなことをしようというのがウェーブレット解析です.図1は,ドブシィ2(Daubechies2) と呼ばれる幅の小さなウェーブレットのグラフです.
 ウェーブレット解析は,周波数解析と似て,信号に含まれる異なった大きさの変化の仕方を抽出してくれますが,周波数解析と違った特性があり,最近いろいろな分野で使われるようになってきました.たとえば,画像圧縮のフォーマットである JPEG の新しい仕様 JPEG-2000 では,ウェーブレットを使った圧縮アルゴリズムが使われています.詳しくは,JPEG 2000, JPEG2000とは -- 意味・解説芦野隆一氏のページ などを覗いてみてください.
 私は,応用数学の研究者と協力して,ウェーブレット解析の基礎となる数学的理論やその応用について研究しています.