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数列の漸化式について

 いろいろな現象の中に現れる変化を数列であらわし,変化を支配する法則を漸化式の形で表す場合があります.こういう漸化式の解き方についてすこし説明しましょう.

1つの数列の場合

 数列 latex math image に対して
   latex math image--- (1)
   latex math image---(2)
   latex math image--- (3)
等といった
   latex math image--- (4)
の形の式を2項漸化式といいます.latex math imagelatex math image を独立変数とする関数で latex math image ごとに変わるかもしれません.(1) では latex math image, (2) では latex math image, (3) では latex math image ですね.
 初項 latex math image を決めると,後の latex math image はこの漸化式で順番に決まっていきますね.但し,latex math image によっては latex math image が定義されていなかったりして決まらないこともあるかもしれません.たとえば右辺が latex math image の場合,ある latex math imagelatex math image となることがあると latex math image が決まらないので注意が要ります.以下ではこういうことがない(すべての latex math imagelatex math image が定義されている)とします.

 

 さて,こうして latex math image が順に決まっていきますが,latex math image の入った一つ(または少数)の式で latex math image が表されると便利ですよね.こういう式を求めることを「漸化式を解く」と言うことがあります.しかし,実はうまく解けることのほうが少ないのです.また,解けても漸化式のわりに結構複雑だったりします.上の3つの例はいずれも解けて
   latex math image
   latex math image
   latex math image
となります(まだ簡単な方?).(3) は latex math image, latex math image, latex math image, ... と見ていくと,なんとか予測できるかもしれませんが,他はどうでしょう.後で,簡単な漸化式の解法をいくつかご紹介します.

 

 ここまで考えたのは latex math image だけで次の項 latex math image が決まるという場合ですが,2つの項を使って次の項が決まる場合も考えられます.
   latex math image--- (5)
等といった
   latex math image--- (6)
の形の式を3項漸化式といいます.latex math image を決めると latex math image が決まっていきます.4項漸化式,5項漸化式 ...も考えられますね.(5) は2つの項を足すと次の項になるという規則で,latex math image として決まる数列 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, ... をフィボナッチ(Fibonacci)の数列と言います. はじめてこの数列について詳しく考察したレオナルド・フィボナッチの名前がつけられています.非常に単純な漸化式ですが latex math image の入った1つの式で latex math image を表そうとすると
   z1_5p.png--- (5)'
となり,結構複雑です.数列自身はすべて自然数ですが,この式には latex math image が出てきますね.(どうやって解くかはあとで.)フィボナッチ数列は奥深い性質をいくつも持っています

2つの数列の間の連立漸化式

 2つの数列 latex math image, latex math image を一緒に考え,これらが互いに影響しあって変化していく場合を考えましょう.
 たとえば
   latex math image--- (7)
などです.このように latex math image の値で次の latex math image が決まる
   latex math image--- (8)
の形の漸化式を連立漸化式と言います.latex math image を定めると,後はこの漸化式で順に値が定まっていきます.これは1つの数列の場合で言うと2項漸化式に当たるもので,3項漸化式にあたるもの等,もっと複雑な連立漸化式も考えられます.数列の数を3つ以上に増やしたものも考えられます.

 

 一般論(もっとも普遍性のあるモデル)としては,latex math image 個の数列 latex math image を考えた
   z1_9.png--- (9)
を考えることになります.(3項漸化式に当たるもの等も,数列の個数を増やすと,この形にできます.)

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